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10G:視覚ハウンド

ぼるぞい ボルゾイ
- BORZOI(2023/2/20更新)

ボルゾイ

原産地

ロシア

用途

ハンティング・サイトハウンド、レーシング・ハウンド及びコーシング・ハウンド。
ボルゾイは狼狩りよりも主に野ウサギやキツネを追うために用いられるハンティング・サイトハウンドである。高い敏捷性と持久力を兼ね備え、獲物を瞬時に手際よく捕まえる能力を持つ。コーシング及びレーシングにもよく用いられる。

沿革

ボルゾイの歴史は15世紀のモンゴル侵略に遡る。タタール人はアラブ原産の「Koutsi」というサイトハウンドを用いていた一方、ロシアの猟師はサイトハウンドを持たず、狩猟時には鹿やヘラジカさえも捕獲し、仕留めてしまうことができた桁外れの強さを持つ「Loshaya 犬」を用いていた。
「Koutsi」及び「Loshaya」の異種交配犬がボルゾイの原型となった。それらの犬はヴァシーリー3世が所有する祈祷書にも描かれていた。16世紀から17世紀に亘り、ポリッシュ・グレーハウンドの新たな血統がそれらの子孫犬に気高さを加えた。それらの犬の名声はロシア帝国にまで及んだ。
この犬種の更なる発達は大型で、頑丈、且つどう猛な 髭のある「Courland Sighthound」である「Klock」との異種交配に影響された。それらの子孫犬は髭が無い、長毛で、細い毛の犬になった。それらの犬が「Gustopsovy」ボルゾイ・タイプの始まりとなった。
グレーハウンドの血統は同時にこの犬種へ「Chistopsovy」ボルゾイ・タイプの外見も追加した。その持久力で知られているマウンテン(ゴルスキー)・サイトハウンドと クリミア・ サイトハウンドの血統も後に使用された。
ボルゾイはこの複数の異種交配の結果である。獲物を追う際のボルゾイの用心深さ、敏捷性及び素早さ、また、閃光のように突撃し、獲物を瞬時に手際よく捕まえる能力、その荒々しさ及び勇気、それら全ての重要な性質は、不整地で獲物を迅速に捕獲する際に大変役立つことが証明されている。また、ボルゾイは長距離での作業が必要な大草原での狩猟にも首尾よく用いられた。
18世紀から19世紀には、サイトハウンドやハウンド及び特別な馬との「hunters」の群れで狩猟する姿が見られた。そのような狩猟ではタイプや作業能力が異なる数百頭もの犬で構成されていた。ニコライ・ニコラエビッチ大公による 「Pershino hunt」は、申し分ない犬の美しさと、そのスピードや獲物への情熱の特に有名である。
ボルゾイ愛好家の初めての会議は1874年に開催されたが、ようやくタイプが統一されたボルゾイの最初のスタンダードをモスクワ・ハンティング・ソサエティーが承認したのは1888年である。このスタンダードの作成者は N.P. Yermolov 氏である。スタンダードには20世紀及び21世紀の1925年、1939年、1951年、1963年、1969年、1980年、1993年、1995年、2006年に変更が加えられたが、その基本原則は変わっていない。

一般外貌

高貴な外貌で、体高が高く、引き締まっており、頑丈で、調和の取れた体躯構成をしており、幾分脚は長く、かなり細いボディである。僅かに細長い体躯である。牝は牡よりも長い。
皮膚は薄く、弾力があり、皺はない。筋肉は引き締まり、伸長し、十分発達している。丈夫な骨格構成だが、重量感はない。

習性/性格

穏やかな気質で、視覚反応は非常にはっきりとしている。
典型的な歩様:獲物を見つける前は、ゆっくりとしたトロットの、規則正しい歩様である。獲物を追っている時は、フル・ギャロップである。
人に対する態度は、自然か友好的である。

毛色

・ ホワイト。
・ 様々な色調の淡い色(レッド・フォーン、グレー・フォーン、シルバー・フォーン(淡いライト・グレーの色調))。
・ 毛の根元は明るいレッド、もしくは明るいグレーで、地色はよりダークなレッド、もしくはグレーである。
・ レッドの地色にブラックのオーバーレイがある毛は、しばしばダークなマズル(セーブル)と共に見られる。
・ グレー(灰色から黄色がかったグレー)。
・ ブリンドル(ペール、またはレッド、もしくはグレーの地色に筋やマーブルのようなダークなストライプ)。
・ レッド。
・ ブラック。
・ レッドとブラック間の移行色。
全ての毛色は単色か、パイド、またはタンを伴っても良い。通常は、いかなる毛色も下方に向かって明るくなっている。
ホワイトからブラックまでのあらゆる毛色の組み合わせが許容されるが、ブラウン、ブルー、イザベラ(ライラック)及びそれらの色調、つまり鼻の色がブラックではない淡い毛色は許容されない。

サイズ

理想体高
牡:75~85cm 牝:68~78cm

グループ(FCI10グループ)別

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