JAPAN KENNEL CLUB 一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ JAPAN KENNEL CLUB 一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ

災害救助犬の育成

育成と認定について

育成について

災害救助犬は、大きく分けて

  1. 地震などによる家屋崩壊現場で被災者を捜索する地震救助犬
  2. 山での遭難や行方不明者を捜索する山岳救助犬
  3. 海や湖で遭難者救助にあたる水難救助犬

 
の3種類に分類されます。このうち、本会では、(1)の災害救助犬の育成に取り組んでいます。犬の嗅覚は人間の100万倍とも1億倍ともいわれ、この特異な能力を利用し災害時に被災者を発見するのが災害救助犬の仕事です。
 
災害救助犬は、全国23カ所の本会公認災害救助犬育成訓練所と7カ所の育成訓練所で育成されています。
 
訓練期間は、犬種や犬自身の性格により異なりますが、まず基本的な訓練をおよそ6カ月間行います。この間に瓦礫や騒音等に接する機会を設け、これに慣れさせるとともに災害救助犬としての適性を見ます。適性ありと認められた犬に対し、さらに1年から1年半の実践的な訓練を行い、その素質を伸ばしていきます。
 
災害救助犬としての訓練は、初めは「かくれんぼ」からスタートします。立ち木やフェンス等の向こう側に人が隠れ、犬がそれを見つけ出す等、最初は簡単なものですが、うまくできるに連れ難易度を上げていきます。最終的には、ビルや家屋の倒壊現場を想定した模擬災害現場に人が隠れ、それを捜し出す訓練を行うようになります。
 
こうして育成の完了した犬は認定試験にチャレンジします。この試験で認定レベルをクリアした犬だけが、本会災害救助犬としての認定を受けることができます(試験は毎年5回~7回行われ、合格率は約30%となっています)。
 
第1回認定試験が1996年2月に実施されて以来、今日までの認定犬総数は960頭になります。なお、死亡・病気等の理由による認定返上があり、現在、出動可能な認定犬頭数は125頭となっています。(2023年4月現在)
 
認定犬の多くは、警察犬や盲導犬でお馴染みのジャーマン・シェパード・ドッグやラブラドール・レトリーバー等の大型の犬種ですが、倒壊家屋にできた狭い隙間でも活動できる小型の犬種の災害救助犬育成にも力を注いでおります。
また、これら認定犬の作業能力と日頃の訓練状況を確認するため、毎年9月、認定犬だけが出場することのできる競技大会を開催しております。

認定犬 犬種別一覧

2023年4月1日現在
犬種 出動可能な認定犬頭数
合計 125頭
ラブラドール・レトリーバー 45
ジャーマン・シェパード・ドッグ 39
ゴールデン・レトリーバー 10
交雑犬・未登録犬 7
ボーダー・コリー 5
ジャック・ラッセル・テリア 3
ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ 3
トイ・プードル 2
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 2
ボーダー・テリア 1
ブリタニー・スパニエル 1
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク 1
ウエルシュ・コーギー・カーディガン 1
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル 1
オーストラリアン・シェパード 1
ミディアム・プードル 1
ベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノア 1
ベルジアン・シェパード・ドッグ・グローネンダール 1

災害救助犬の訓練の様子をご紹介

(株)誠文堂新光社発行の「子供の科学」2014年11月号に、災害救助犬の訓練の様子を紹介する記事が掲載されました。

掲載された記事は、『ヒミツの訓練大公開! 災害救助犬の能力とは!?』です。
クリックすると、PDFでご覧いただけます。